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zoom RSS 144曲目 This Love Is Gonna Be True - Spencer Wiggins

<<   作成日時 : 2016/07/31 23:03   >>

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このスペンサー・ウィギンスというシンガー、ディープなサザンソウルファンの間では神格化されている方と申しましょうか、既に基本とすら呼びたくなるくらい聴く事が当たり前な存在として圧倒的な支持を受けている方のようですね。そのあまりにも深い愛情故、今回エントリー曲を含むアーカイヴ音源集がCD化された際、ファン達が放った歓声、狂喜乱舞する様子に興味を持った全然ディープでも何でもない自分のような人間にもその存在を知らしめたと言うワケなのでした…確か10年のリリースだったと思われる「フィード・ザ・フレイム」と言うCDがレ○コレの年間リイシューBestのソウル部門でBestに選ばれていたのを見たのが自分は初めてでした。当然ソウル事情に全く明るくない自分はウィギンスの名前は初めて耳にしましたし、喜びがほとばしる様なディスク評にも「フーン、そんなにスゴい人なのか…」とあくまで人事感覚で誌面をナナメ読みしていたのですが評者のあまりの手放しの喜び振りを見て、こんなに人を熱狂させる音源であるならば自分も聴いてみたいな〜ぐらいには思っておりました。しかしだからと言って毎年リリースされる発掘音源のそれこそ年間Bestと評されるCDだけを取っても決して少なくない枚数に上りますし、第一ジャンル的に自分に向かない作品だって多数でしょうから他人が幾ら大喜びしていても自分が楽しめる保証は無いワケです。

自分がこうと決めたアーティストに関してはリマスターや紙ジャケですら散財する自分ですが、未聴のアーティストとなると結構慎重に自分内購入会議が開催されて「今回は見送り」という決議だって幾つも事例があるのです…そんな自分内上層部を説得して稟議を決済させる(=CD購入)には…リサーチですよね!しかし当時自分が所有していたパソコンは恐怖のWin98…イヤ別にその機種が恐怖なのでは無く、つまりスペック的にY○u Tubeの動作に困難を抱えていたもので一足飛びにウィギンスの曲を聴く手立てが無かったという一番ストレートな手段が封じられていた側面がございました。勢いリサーチするのはソウルファンが如何にウィギンスを評しているのかを探る事でした…当時の音楽雑誌でレ○コレ以外で自分がウィギンスの名前を目にする機会が無かったのですが、自分のリサーチ能力が著しい欠陥を抱えていたのか、それともディープソウルファンの存在がひと握り過ぎて究極の一部ウケだったのか判然と致しません。しかし仮にその両方が的中していたとしても自分の拾えたリサーチ結果は目覚しいものでした…そういうコアなソウルファンをしてオーティスと比肩する才能を持つシンガーとしてウィギンスを評していた事、中には巡り合わせ次第ではオーティスを凌ぐ存在になっていたハズというイフを口にする方すらおられたのです。ウーン、アレサと並んでソウル界の頂点と呼んで差し支え無いオーティスを引き合いに出して評される程の実力の持ち主と言うのですかウィギンスは?モチロン、オーティスはシンガーのみに特定される魅力の持ち主ではありません…むしろオーガナザー的なスタンスが後のブラック・ミュージックに与えた影響の方が今日重要視されているワケですからオーティスに代わる存在というのは極端過ぎる見方ではございますが、そんな事は百も承知なソウルファンがウィギンスをそう評している事が重みのある意見と自分には受け取れたのでした。こうまで言われると、もう興味が抑えられないですよね…早速購入!

実際聴いてみて率直な感想を述べさせて頂きますと、オーティスを凌ぐ、と言われた方のご意見…良く判ります!ソウルミュージックとして究極にカッコ良いサウンドでありヴォーカルが1枚のCDにビッシリ詰め込まれているのです…自分はディープなソウルファンでは間違いなくありませんし、只のソウルファンかと問われても自信は欠片も無い只の通りすがりの者ですが、このCDには間違いなく最上級に優れてカッコ良い音楽が全編に渡って収録されていると宣言する事に些かの躊躇もございません♪ウーン、コレはリイシュー時にファンが熱狂したのも無理はありませんね…

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そんな激しくマニアに愛されているウィギンスですがこの脂の乗り切っていた当時、彼はアルバムリリースの無いアーティストだったそうです…そんな!オーティスに迫るとまで高評価が現在流通している程の彼なのに当時のウィギンスを知るにはシングルを聴くしか無かったと言うんですか…!なる程、それで判りました…つまり歌声を聴けばそれと判る程の才気に満ちていたウィギンスなのに当時は肝心のアルバムが流通しておらずシングルがラジオでかかる事しか頼りが無かった、だから現在まで一部熱狂的なリスナー以外にウィギンスというアーティストが多くの聴衆に届いて居なかったというワケだったんでしょう。特にブラックマーケットと言うのは現在よりも遥かに聴き手がセパレーションされているチャンネルだったハズなので、そこでどんな素晴らしい歌い手が居ようと巡り合わせ次第では黙殺されてしまう市場だった可能性がありますね。

尚且つウィギンスが更に一般聴衆の目に届きにくかった要因として所属レーベルの問題があった気がします…今回エントリー曲を含む発掘音源CDのサブタイトルは「フェイム&エクセル・レコーディングス」と言うんですが、つまりメジャーレーベルでは無いですよね。そしてこの「フェイム」が非常に曲者レーベルだったと言えるのです…ソウルファンにとって特別な響きを有しているであろう本レーベル、自分が初めて意識してこの名を目にしたのはピーター・バラカン氏著による「魂のゆくえ」という書籍の中でだったのですが、ウィルソン・ピケットを売り出す為にアトランティックが送り込んだレーベル、とそこには書かれておりました…「ダンス天国」という超特大のソウル・クラシックはそこで吹き込まれたんだと。しかし自分が最も記憶していた箇所はその部分では無く、ピケットがエキセントリックな性格な上に強力な白人嫌いだったという事、そしてフェイムのオーナーだった(白人の)リック・ホールと物凄い衝突をしたという生々しい記述でした。リック・ホールはソウル・レーベルを興す程の人物なので別に黒人嫌いでは無かったでしょうが、頑迷な田舎気質の人物だったらしく商売だからといってお客様をもてなす態度とかけ離れた様子でアーティストに接していたため揉め事が絶えなかったみたいな人物評だったように記憶しています。ウィギンスの発掘音源はソウルファンが長年待ちに待ってた録音だったそうですが常に音源使用許諾のネックとなっていたのはそのフェイム=リック・ホールだったみたいに言われてますし、なる程ね…

だから自分の中でリック・ホール氏というのは何となく善悪で二分した場合、悪の側…という超単純な思考でより分けされていたのですが、昨年ある書物を読んだ事でその自分の価値観がクルッとひっくり返ったのでした…その書物とはソウルに関するライターとしてかなりな大御所感のある 鈴木啓志氏による「ゴースト・ミュージシャン」。ブ厚いハードカバー本で値段もそこそこ高価という事もあり発売時から非常に気になっていたもののかなり遅れての入手となりましたがコレが凄い読み応えの書籍でありまして一層ソウルというジャンルへ興味が増進した点でホントに読んで良かった、これからも大事に読んで参りたいと思わされる本でした。しかし「ゴースト・ミュージシャン」とは…?結構ミステリアスなタイトルじゃないですか…そう、この本で描かれている主題はある意味ソウルという音楽ジャンルを揺るがすような非常にパワフルな推理検証劇と呼べるような内容でした。例えばゴーストライターと言われれば芸能人や著名人といった筆の立たない人達のために黒子に徹して自伝なんかを代りに書いてあげる職業ライターの事を言いますよね…よくドラマなんかで有名小説家のヒット作品を書いていたのは実はゴーストライターだった、なーんてスキャンダル的なネタで使われがちなアレですね〜。この本ではソレがミュージシャンに適用されるという事、スキャンダラスな真相を暴く的な内容というワケです。

つまりソウル界で定説とされていた名曲名演に関してファンが承知していた事実は実は真実では無かったのではないか?という事を筆者がデータを集積し前後の事情からパズルを組み合わせる事によって既存情報から全く違う様相を浮かび上がらせるロジカルが物凄くスリリングな読み物なんですね〜。この本の中ではソウル史、ロック史に於いて尊敬を勝ち得ているジェリー・ウェクスラーやトム・ダウドといった面々をかなり面罵している側面があり、また「スウィート・ソウル・ミュージック」という有名著作のあるピーター・グラルニックのようなクリティックスも結構悪し様に遡上に上げられています。おお今言った方々はソウルの味方と目されている人達では無かったんでしょうか?こういう劇薬的な物言いがちょっとドーピング紛いのカタルシスに繋がっている事は否定できませんが、この本で述べられている事は大変興味深いと言わざるを得ません…例えばフェイム・スタジオはアラバマ州マッスル・ショールズにありますが我々ロック・ファンが常々口にしているマッスル・ショールズ・スタジオと言うのは、このフェイム・スタジオとはイコールでは無いんだと。へぇー、元々マッスル・ショールズと言う地にスタジオを構えていたフェイムのスタッフがリック・ホールと袂を分かって新たに建てられたスタジオがマッスル・ショールズ・スタジオというネーミングでありストーンズの70年代のスワンプ名盤群はコチラで録音されたものだそう、ふーん。そしてこの新スタジオ設立に暗躍したのがジェリー・ウェクスラーという些かサスペンス調な話になるくだりは華やかなショービズ界の裏の顔、金や名声に執着する人間の業と呼ぶべきものが首をもたげているようで非常にジメジメとした印象を感じざるを得ません。

まぁ本の中で述べられているのは何もウェクスラー達の悪口三昧というだけでは無くあくまでもソウル史に決して浮上する事の無い凄腕プレイヤー達に陽を当てたい、と言う願いがまず第一だろうと思います…フェイム・スタジオのハウス・ミュージシャンであるインペリアル・セブン、フェイム・ギャングという最も尊敬に値するミュージシャンが相応の評価を現在まで与えられておらず本来なら二番手に甘んじているべき腕の覚束無い連中が評価人気を一身に集めている事への義憤に突き動かされて書き上げたソウルスクリームのような書というワケでしょう。自分もこの書で初めてその名前を知ったドラマー、フリーマン・ブラウンはチトリン・サーキットを渡り歩いてきたローカル・ボーイながら一連のソウル・クラシックの最重要箇所を常に務めてきたヒーローなのだ、とこの本は再三熱く語ってくれています…コロッと揚がった黒いコロッケのようなその風貌は、そんな最上級の評価を噛み締めながら聴いてみると音に更なる重厚感がドスッと乗っかってくるかのような聴き応えが感じられ、より曲の旨味が増すような気がしてくるから現金なものです(笑)アレサの「シンク」もブラウンが叩いてたんだ!ほぉー!というワケです♪更にはクレジットの上では秘匿されてしまっている名曲群も多数に上るのかも知れないとなると…想像は広がりますね…



ウィギンスに話を戻しますとフェイムでの録音は当然フェイム・ギャングがバッキングを務めているかと思うのですが曲ごとにメンバーが入れ替わったり使用スタジオも変わっていたりと必ずブラウンが参加しているとは限らないみたいですねぇ…しかし今回エントリー曲「This Love Is Gonna Be True」は多分ブラウンが演奏しているものかと。ファンの間ではエネルギッシュな演奏の醍醐味が味わえるフェイム・ギャング参加の真打曲として「ラヴ・アタック」が有名みたいですけど、確かにアレは猛然とグルーヴが突き進む、という表現がピッタリの極め付きのカッコ良いサウンドですよね、自分も大好きです♪ウィギンスは非常に男性的な歌唱力の持ち主でありフェイクやシャウトがいちいち咆哮として突き刺さってくるド迫力シンガーですが、そんな歌手が力の限り歌い込むバラードの凄味に自分はクラクラ参ってしまっているのです…特に今回エントリー曲で見せるウィギンスのすすり泣くかの如きクライはホント鳥肌ものと言えるでしょうね。こうした硬軟何でも歌える高いスキルを持つが故にオーティスに比肩するとまで言われるのでしょうし、ゴールドワックスのレーベルメイトで同様に甚だしく評価の高いジェイムズ・カーとも人気を二分している位ソウルファンに愛されているのがウィギンスなんですね…自分もたったこの1枚のCDしか所有しておりませんが、そのゴールドワックス時代の曲群も以前編纂されCD化されたようですし是が非でも入手しないワケには参りません!このテのレーベルにはシングルのみリリースして消えたミュージシャンが多数に上るものの今に至るまで名盤と語り継がれる大手から発売されたソウル名盤と比べても引けを取らない充実の演奏が詰まっていると言うのだから困りものです…実力があるんだったら、ちゃんと人気が出て入手し易い環境が整っていて欲しいものですが、そうは行かないのがショービズ界の難しさ、なんですよね(溜息)結局ウィギンスは当時大きな成功を手にする事無くゴスペル界に転身し世俗音楽から身を引いてしまったのは寂しい限りです…今も存命だと思いますが全盛期に威勢良くチャートを席巻して欲しかったミュージシャンじゃないですか。

本CDはジャケットもまたイカしています…かなり特異なフォルムの一張羅のスーツに身をまとったウィギンスがブースで歌う瞬間をパッケージした見事なショット。優れたソウルが産み落とされる瞬間を真空パックしたかの如き煌めきがこのモノクロ写真から立ち上ってくるかのようです…この時のウィギンスの真剣勝負は当時のリスナーには届かなかったかも知れませんが数十年の時を経て今、遂に真価を認められソウル界のダイヤモンドと遇されるに至った事をこの写真に収まった男は全て判っているとでもいいたげな顔つきに見えて仕方ありません。それ程の自信をこの男が持っていたとしても当然でしょう…それぐらい破格なソウルをこの男の喉は宿していたワケですから誰だって「絶対ヒットするに決まっている!」と確信してもおかしくない。おかしかったのはウィギンスの才能を目の当たりにしながら素通りした当時の音楽シーンの方です、バカバカ!

本日は Spencer Wiggins 10年発表のアーカイヴ音源「Feed The Flame : The Fame And XL Recordings」より「This Love Is Gonna Be True」を選曲させて頂きました。
ゴールドワックスからフェイムへ移籍したのが69年という事で録音年月日で60年代作品との分類としてみましたが…10年に初出という点から見るとちょっと微妙なカテゴリーになってしまいましたか(汗)でも偉大なロスト・レコーディングへの敬意を込めて今回はフィーリングで押し通させて下さい!毎度テキトーでスミマセン…

それでは本日はこの辺で…


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