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zoom RSS 146曲目 Sister Havana - Urge Overkill

<<   作成日時 : 2016/08/22 07:06   >>

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今回、アージ・オーヴァーキルを取り上げた理由は…お察しの方がいらっしゃるかも知れませんがBiSの曲に「urge over kill of love」という曲があったのでその連想です(汗)どんだけBiSで頭がいっぱいなんだという話ですが、もー盛り上がっちゃって自分が止まらなくて仕方がありませぇーん♪それにしてもカッコ良い語感のバンド名ですが何という意味なんでしょうか?検索で直訳してみると…「アージ」は「早急に」、「オーヴァーキル」は「大量殺戮」か…何だコリャ?そういえば昔メン・アット・ワークのヒット曲に「オーヴァーキル」って曲がありましたっけ…戦争や紛争にまつわる単語なんでしょうかね。そんなバンド名をつける人達も何ですが、アイドルがそんなタイトルの曲を歌うってのもスゴい話です…あの曲はゆっふぃーが作詞してましたが、プールイと敵対してたとは言え、良いセンスしてたんですねぇ。ルックスも歌も踊りも良い娘だったのでプールイと反目してた事だけが玉にキズだった…もー絶対BiSに関わり合いにはなりたく無さそうですが今回の再始動で電撃再召喚なんて事が起こったらアホらしいぐらいに盛り上がる事でしょう…ま絶対無いか。

もーいい加減にBiSから離れてくれ!と声なき声が聞こえてまいりましたので本題に入りたく存じます(汗)アージ・オーヴァーキルは90年代、グランジが隆盛を誇った時期に活動期がリンクしているグループですが、あの当時のオルタナ的なテイストがサウンドに色濃い所はありますがグランジバンドとは肌合いが違って、もっとこう…チープ・トリックにも通じるような明快なメロディをアタック強く演奏するオーソドックスなロックバンドだったように思います。彼等が一般的な認知を得たのはタランティーノの「パルプ・フィクション」のタイアップ曲で使われたニール・ダイアモンドのカヴァー曲、「Girl, You'll Be A Woman Soon」でしょう…あの曲の一発屋という認知に近いかも知れません。確かにタランティーノ作品に共通するささくれたハードボイルドテイストにバッチリ合った曲なのでインパクトはデカかったですよね…フロントマンのナッシュ・ケイトの擦れたハスキー・ボイスも映画の殺伐感を高める事に一役買っていたし良い仕事でしたが、あくまでカヴァーソングなのでその一曲のみで彼等を片付けられてしまうとイヤイヤ、アルバムの中の彼等本来の曲もちゃんと聴いて下さい!という思いに駆られます。

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彼等本来の曲…それこそが今回エントリーしました「シスター・ハヴァナ」のようなラウドながらもクリアーなトーンがポップなメロディーを引き立てるバブルガム・パンクとでも形容したくなるサウンドです。70年代に演奏されていればもう少々牧歌的に響いたかも知れない甘酸っぱい旋律がパンクや産業ロックを経過してシラケムードが蔓延した90年代に鳴らされた事でどうしようも無くリスナーを突き放すぶっきらぼうさも同時に湛えていたとは言えますまいか?つまりどんな人懐こいメロディーが奏でられていたとしても人を寄せ付けないクール感触がもれなくついて来るのが90年代ポップの特徴とも言え、ソレをこの上なく見事にアージ・オーヴァーキルは表現していたと自分は思っています。ロックバンドを組みポップなサウンドを演奏する、と言う事は音楽に対する情熱は掛け値なしなワケなのに産業として肥大化し非常に調子こいてきたロック界を眺めてきた彼等の視線は大変醒めています…つまり過去の轍を踏まない、という学習能力を彼等は発揮しているという事であり「ロックは素晴らしい」と無邪気に表明する事が是な世代では既に無かったんですね…ダイレクトなリフがこの上なく明快なカタルシスを覚えさせる「シスター・ハヴァナ」もだから俯瞰した批評性を備えている所があり手放しでワーッと盛り上がるだけでは無い緊張感が曲に組み込まれていますが、そうした面だけを捉えて頭でっかちで身体性に乏しいと言う見方は当てはまりません。ロックが成熟期を迎えオリジナルな表現を創出する事がどんどん困難になって行く過程に於いてはそうしたスタンスは非常に真っ当な事だと思うのです。過去の優秀なロック・クラシックスのリフに直結するかのような音像を現代のポップサウンドにアップ・トゥ・デイトして提示する事は非常に質の高いクリエイトなワケですしセンスの欠如している面々が同じ事をしようものなら途轍もなく野暮な音に堕してしまう、極めてリスキーな手段でもあるからです。

例えばこの曲のミドルエイトではKISSの「ラヴィン・ユー・ベイビー」のフレーズが挟み込まれています…なる程!メインのリフとは何の関係も無いこの要素のインサートは大変示唆的とは言えないでしょうか?つまり彼等はKISSをリスペクトしていますよね…しかもディスコヒットとして売れはしたけど若干低く見られている曲をセレクションする辺りが彼等の視点の鋭さを逆説的に証明してもいます。現在までの活動でロック界で既に十分なリスペクトを得ているKISSですが、そもそも彼等のメイクやコスチューム、ステージングに見られる徹底的なショービズ意識というものはシュガーコーティングされてはいますが大変冷徹なビジネスメソッドでもあるワケです。アージ・オーヴァーキルはそんなKISSの最もディフォルメされた部分を抽出してわざわざ自分達の曲に移植したのですからコレが確信犯で無くて何でしょう?ロックサウンドの持つアニマル性とヒットのためならデスモンド・チャイルドでも連れてくる下世話さのブレンド…ロック界でサバイヴするならコレこそが良いヒントである、とばかりにアージ・オーヴァーキルはこの曲を直感的に選んだんでは無いでしょうか。効果は確かにありました…元歌を知らなくても十分楽しめるこのサウンドはソレを知った後に聴く事で新たに二層的な魅力も味わう事が出来、アージ・オーヴァーキルがビジョンを持って曲を作っている事が伝わってくるからです。

但しアージ・オーヴァーキルはKISS程下世話に徹する事は無くオルタナバンドらしいストイックさは手放してない所がありますけどね…この点、チープ・トリックやエアロスミスのような長年業界を生き抜いてきた人達に較べると若干の青さと映るかも知れませんが、それぐらいイイじゃありませんか。彼らとてショービズ界で生き残りたいとは思っているでしょうが何より重要なのは彼等自身が信奉するロックを如何に奏でるべきかというワケですからクレバーだ、シラケだ、と言ってもストイックでピュアな部分は確実に彼等の根っこにあると言う事ですし、だからこそ我々リスナーも彼等の音楽が効率のみ優先のマネーゲームじゃないと思えるのです。そんな捻れてシニカルな中にも無防備なピュアさを併せ持つ彼等はグランジブームの荒波に呑まれショービズの餌食と化してしまったかのようなプロフィールが皮肉なものですよね…ニルヴァーナの成功を目の当たりにしたメジャーレーベルのインディーローラーサーチの網に彼等もまた引っ掛かったという事です。

しかしそんな裏事情はさておきメジャー移籍第1弾アルバム「サチュレイション」は実りある手応えを獲得しました…インディー時代はどうしてもロー・バジェットの安普請さに悩まされますし、サウンドの方向性も固まっていない点で曲の強度や説得力に欠ける部分は止むを得ないところ。オルタナ界の救世主、スティーヴ・アルビニとのコラボを以てしても、もう一つ突き抜けきれない後一歩感があった彼等のサウンドはブッチャー・ブラザーズと組んだメジャー作でコルベット・スティングレイの流麗で暴力的なボディ・フォルムにも等しい素晴らしく煌いたデザインを掴んだんだと言えます。メジャー作品として全く遜色の無い金ピカのロックサウンド、この頃のオルタナ勢は幾つかそういうマジカルなアルバムをものにしています…ポウジーズの「フロスティン・オン・ザ・ビーター」がそうだしレッドクロスの「サード・アイ」もそう。レモンヘッズの「イッツ・ア・シェイム・アバウト・レイ」なんかピカ一な作品だと思うなぁ…でも意外とソニック・ユースやバッドホール・サーファーズなんかはメジャー移籍作はピンと来ない作品だったりもして、この辺はバンドのポテンシャルが十全に発揮できるかどうかタイミングやコンセントレーションも極めて重要なんだと思い知らされます。

ともあれアージ・オーヴァーキルは傑作をものに出来たワケですが、その質に見合うだけの良いチャートアクションがあったかと言えば…ちょっと微妙だったのかも知れません。彼等に限った話ではありませんがインディーで一定の人気を博していたバンドはメジャー移籍に強い抵抗を感じるファンがついているもの…セルアウトだと揶揄されたりもします…そうした外野の状況に業を煮やしたのか彼等の態度も何だかエキセントリックなものがあったと当時から感じていました。インタビューでは曲作りについての質問に対して「全ての曲タイトルをまず先に考えてからはじめて曲を作り出す」みたいな相手を煙に巻くような悪意あるジョークに終始していたものでした…まさか本気じゃないよね?スーツ・ファッションを殊更飾り立てるルックスも見た目がボロいグランジ全盛の渦中では反感を浴びる材料になっていた気もしますし…彼等一流の反骨精神がいちいち周囲との衝突要因になってしまい折角の名盤がまともに受け入れられない結果になったかも知れないと思うと何だか切なくなります。彼等みたいにセンスの良いスマートなメロディを奏でるグループはオルタナ精神はあくまで精神のみに留めておいて頂いてメジャーの恩恵であるサウンド・プロダクションをシッカリ構築して貰いたかったのですがソレが出来たのはこの「サチュレイション」のみだったのが勿体無い…しかしコレはバンド側だけの責任では無くレーベルが契約即ビッグヒットを夢見過ぎだった事が要因でしょう。そんなに皆が皆ニルヴァーナみたいに特大ヒットになんかなるワケ無いっつーの!ポウジーズもアッサリ契約切られちゃったしホント当時のメジャーによるグランジ狩りは胸がムカムカするようなビジネスマンの仕切りでしたよ…

いかんいかん、どうもグランジブームの頃の話になると好きなバンドが多かった反面、そうした面々が手のひら返しでシーンから追い落とされて消えていく事が多かったもので恨み節がついつい首をもたげてくるんですよね…インディーから退路を絶ってメジャー進出したバンドに対してあまりにも愛の無いドライな対応をしたと思うんですよ、当時のレコード会社は。ナイス・メロディを作れるグループはいつだってドル箱になる可能性を秘めているんだから、もっと長い目で見てあげないと卵を産まないからといってすぐ鶏の首を絞めるような愚か者と変わらないじゃないかと声を大にして言いたいのです、このやろこのやろ!

ふぅー、ちょっと取り乱してしまいましたね(汗)結局彼等は「サチュレイション」の次のアルバム、「イグジット・ザ・ドラゴン」をリリース後、音信が途絶えます。あのアルバムも「ザ・ブレイク」のようなフックのあるビターなポップソングが収められていて決して悪くなかったのですが「サチュレイション」程パカーンと突き抜けていなかったのはバンドの力量なのかそれともグランジハイプに倦み疲れた当時の彼等の心境が反映されていたのか判然としません…でも当時勢いよくシーンに登場したグループのメジャー第2弾って皆ちょっとくすんだテイストの作品が多かった気もしますので何となく皆が精神の荒廃の方向に進んでいたのかも知れないなぁ。もっと息の長い活動を続けてこそ輝ける資質を開花させられたハズの彼等だけに惜しいとしか言い様がありません…きっとメジャー契約が打ち切られバンドが分解したんだろうと思いますが2011年には再結集しまさかの新作を届けてくれたみたいですね。自分は今回ネットで彼等の事を検索した中で初めてその事を知りました…買わなきゃなりませんね〜♪



ちなみに彼等を知ったキッカケは明確に覚えておりまして、当時ク○スビートに掲載されていたアーティストによる年間Bestアルバムを選ぶ、なんてよくある企画ページを読んでいたら自分の大好きなレモンヘッズのイヴァン・ダンドもコメントしていて彼はそこでアージ・オーヴァーキルの全アルバムを挙げていたのです。他のミュージシャンは律儀に一年間よく聴いていたであろうトップ10アルバムを選んでいたのにです…イヴァンに言わせれば一年間ずっとアージ・オーヴァーキルを聴いていたんだから問題ないだろう、くらいのテキトーマインドだったのでしょうがイヴァンに心酔していた自分は彼の天邪鬼振りにも何か痛快さを感じたりして、そんなグランジ世代最高のメロディメイカーが大プッシュするバンドなら是非聴いてみよう…と思いもしたワケなのでした。レモンヘッズとアージ・オーヴァーキル…ポップな音楽性を持ちながら志向するサウンドのベクトルが違うこの2つのバンドは自分と他者の間に壁を作る強固に排他的なメンタルが非常に共通するように思えます…イヴァンもそんな要素を嗅ぎ取って先のBest企画でアージ・オーヴァーキルの名前を出してしまったんじゃないかな?だからアージ・オーヴァーキルの当時の流行りと相反するスーツルック&グラサンという出で立ちは自分達と周囲を隔てるための宇宙服のような気密性の高いシロモノだったのかも知れません…内圧高まるワケだよ、それじゃあ。

ちなみにバンドの顔はナッシュだと思いますが実際にはツーフロント的なステージングをする彼等であり、そもそもギタリスト二人による結成が元々だったそうなので初期はドラマーやベーシストも流動的だった模様…だからメジャー進出時ドラマー込みでトリオとなっていたけどベーシストはパーマネントでは無かったと言う事なんでしょうか?メンバー写真が4人のショットも見かけますがコレは再結成した際に4人編成になったという事なのかも…その辺の事情はCDをゲットしてライナーから情報を得たいと思います♪結局90年代バンドも流行り廃りの波を被った面から言うと80年代より過酷な業界の洗礼を受けたと言えなくもありません…ニルヴァーナという絶対的な売れ筋の登場によりトチ狂ったメジャーの雨後の筍探しが荒廃させたシーンを引き寄せ犬死したバンドも相当数に登りました…アージ・オーヴァーキルだって70年代に登場していたらもっと建設的なバンド人生を歩んでいた気がしてなりません。「サチュレイション」は今聴き直してみても全くそのカッコ良さが減衰していない名盤だし彼等の当時のポテンシャルからすればもう2、3枚はこのレベルの作品だって作れていたんじゃないかと思うと彼等の歩みも当時強制的に止められてしまったんだろうな…と思わないではありません。失われた時間は戻って来ませんが、彼等が再び動き出した事を嬉しいニュースと捉えるべきなんでしょうね。全盛期の彼等のような暴力的なデザインのアメ車的なフォルムを持つサウンドを今一度楽しませて貰えたらサイコーです!こんなカンジで聴きたいCDが一向に減らないんですが、どうしたら良いですかね(笑)

本日は Urge Overkill ゲフィンへの移籍第1弾アルバムである93年作「Saturation」の冒頭を飾る「Sister Havana」を選曲させて頂きました。
インディーのタッチ&ゴーでは3枚アルバムをリリースしEP盤もありますが4thアルバムという事で良いですかね…デビューは80年代ですが大体90年代に開花するグループって80年の後半にレコード・デビューしている事が多いものです。純正に90年代に結成されて90年代を代表するグループっていうと、レディオヘッドとかレイジ辺りになるのかな…バンドじゃないけどベックも純正90'sの人ですね♪

それでは本日はこの辺で…


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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
おはようございます。
記事とは関係のないコメントですみません。
mangohboyさんに、ちょっとお話があるので、僕のブログを見ていただけませんか?
お手数ですが、よろしくお願いします。
カフェブリュ
2016/08/24 06:46
しばらくです。記事とは全く関係なくて申し訳ない。健康上の理由からしばらく記事のアップを控えることになりそうです。復帰したらまたよろしくです!!
シュガー・シェイカー
2016/10/11 21:09
シュガー・シェイカーさん、ご丁寧にお知らせ下さりありがとうございます。
貴ブログ拝見しました…バイタリティ溢れる記事がしばらく見れなくなるのは寂しいですが何よりも健康第一ですよ!しっかり体調を整えて帰って来るのをお待ちしています〜
mangohboy
2016/10/13 07:35

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